研究会マガジンNO.8(2005.12.06)
【今回のトピック】
●今後の産業廃棄物対策について(東京都)
●医療制度改革大綱決定―診療報酬下げ幅最大―
● 今後の産業廃棄物対策について(東京都)
11月11日、東京都は都内で排出される有害廃棄物について、今後都内で全量を処理していく方針を発表した。
感染性廃棄物に関係する対策としては、下記が示された。
【有害廃棄物の処理体制の確立】
- 都内で排出される感染性廃棄物全量の処理能力を、スーパーエコタウンにおいて確立する。
- ICタグによる感染性廃棄物の追跡管理について、モデル事業の実施と来年度以降からの導入拡大。
【不法投棄対策の強化】
- ICタグによる感染性廃棄物の追跡管理について、モデル事業の実施と来年度以降からの導入拡大。
- 排出事業者・処理業者の報告公表制度
上記の対策が進むのであれば、都内の感染性廃棄物に関する、排出事業者・処理事業者が、各々の立場で対応を検討する必要がありそうだ。また、今回の東京都の宣言が、今後医療廃棄物の適正処理の役割について、他自治体に波及していくことが期待される。
● 医療制度改革大綱決定―診療報酬下げ幅最大―
日本医師会は、「感染性廃棄物を含む医療用廃棄物処理費用への対応が必要」などの内容を盛り込んだ要望書を提示し、厚労省に診療報酬の引き上げを主張してきたが、11月29日、政府・与党社会保障改革協議会は、過去最大の下げ幅となる診療報酬引き下げを検討し措置するといった内容の医療制度改革大綱を発表した。
医療機関では限られた予算の中で、医療廃棄物の適正な処理が求められており、今回の診療報酬引き下げによって、対策を講じる必要が出てくるかもしれない。在宅医療廃棄物処理についても、自治体との役割分担が明確で無い場合が多く、医療機関が少なからず負担を負っている現状がある。
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